ホームページはあるのに問い合わせが来ない、アクセスはあるのに成果につながらない。こうした悩みを抱える企業は少なくありません。問題は、どこに原因があるのか見えにくいことです。デザインなのか、コンテンツなのか、それとも技術的な問題なのか。改善したくても、何から手をつければいいかわからない状態に陥りがちです。
本記事では、300社以上のホームページ改善実績から導き出した20項目のチェックリストを、優先度別に解説します。このチェックリストを使えば、自社サイトの問題点を体系的に洗い出し、成果につながる改善の糸口が見つかります。
この記事は以下のような方に役立ちます。
- 自社HPからの問い合わせや売上が伸びず、改善点を特定したい方
- 何を基準にサイトをチェックすればいいかわからない方
- 改善提案を受けたが、優先順位のつけ方や妥当性を判断したい方
ホームページ改善チェックリストの4つのカテゴリー
ホームページの改善は、単一の施策で完結するものではありません。成果を出すには、複数の視点から問題点を洗い出し、優先度をつけて段階的に取り組む必要があります。
本記事では、20項目のチェックリストを4つのカテゴリーに分類しました。それぞれのカテゴリーが担う役割を理解することで、改善の方向性が明確になります。
集客の質を高める項目
どれだけ優れたホームページでも、訪問者がいなければ成果は生まれません。ただし、単にアクセス数を増やせばいいわけではなく、自社のサービスに関心を持つ質の高い訪問者を集めることが重要です。
このカテゴリーでは、検索エンジン経由の流入、広告経由の流入、SNSや他サイトからの流入など、さまざまなチャネルから適切なターゲットを集められているかを診断します。流入数だけでなく、直帰率や滞在時間といった訪問の質を示す指標も確認します。
導線とデザインを最適化する項目
訪問者がサイトに来ても、どこを見ればいいかわからない、問い合わせボタンが見つからない、スマホで見づらいといった状態では、離脱されてしまいます。
このカテゴリーでは、ファーストビューの訴求力、問い合わせボタンの配置、スマホ対応、ページ間の導線設計、フォームの入力完了率など、訪問者を成果につなげるための導線設計を診断します。デザインの良し悪しではなく、成果につながる設計になっているかが焦点です。
コンテンツの訴求力を強化する項目
訪問者は、自分の課題を解決してくれるかどうかを判断するために、サイトのコンテンツを読みます。競合他社との違いが伝わらない、実績や事例が具体的でない、信頼できる情報がないといった状態では、問い合わせにつながりません。
このカテゴリーでは、自社の強みやベネフィットが明確に伝わるか、実績や事例が具体的で説得力があるか、お客様の声が信頼獲得につながっているかなど、コンテンツの訴求力を診断します。
技術面の基盤を固める項目
表示速度が遅い、スマホで正しく表示されない、検索エンジンに正しく認識されていないといった技術的な問題は、訪問者の離脱や検索順位の低下を引き起こします。
このカテゴリーでは、ページ表示速度、SSL化、構造化データ、内部リンク構造、アクセス解析の設定状況など、サイトの基盤となる技術的な要素を診断します。Googleのコアウェブバイタルなど、検索エンジンの評価基準も考慮します。
【集客】アクセスの質を改善する診断項目
集客の質を高めるには、流入数だけでなく、訪問者の属性や行動を分析し、自社のターゲットに合った訪問者を集められているかを確認する必要があります。ここでは、集客に関する5つの診断項目を解説します。
ターゲットキーワードの検索順位
自社のサービスを探している人が、どんなキーワードで検索するかを把握し、そのキーワードで上位表示されているかを確認します。たとえば、大阪でホームページ制作を提供している企業なら、「大阪 ホームページ制作」「大阪 Web制作 実績」といったキーワードでの順位が重要です。
Google Search Consoleで検索クエリを確認し、上位表示されているキーワードと、表示回数は多いのにクリックされていないキーワードを洗い出します。後者は、検索意図とページ内容がずれている可能性があります。
流入チャネルの分散度
特定のチャネルに依存していると、そのチャネルの変動が大きな影響を与えます。たとえば、Google検索のアルゴリズム変更で順位が下がると、アクセスが急減するリスクがあります。
Googleアナリティクスで、検索エンジン、広告、SNS、他サイトからのリンク、直接流入など、複数のチャネルからバランスよく流入しているかを確認します。特定のチャネルに偏っている場合、他のチャネルからの流入を増やす施策を検討します。
広告のターゲティング精度
リスティング広告やディスプレイ広告を活用している場合、ターゲティングの精度が成果を左右します。クリック単価が高いのに成約率が低い場合、ターゲット設定がずれている可能性があります。
広告の管理画面で、年齢、性別、地域、デバイスなどのセグメント別にコンバージョン率を確認し、成果の出ていないセグメントへの配信を見直します。また、除外キーワードの設定や、競合他社名での配信を避けるなど、無駄なクリックを減らす工夫も重要です。
直帰率と滞在時間
直帰率が高い、滞在時間が短いというデータは、訪問者がサイトに期待した情報を見つけられていないことを示唆します。業界平均として、直帰率は40から60パーセント程度とされていますが、これを大きく上回る場合は改善の余地があります。
たとえば、ある製造業の企業では、直帰率が70パーセントを超えていました。原因を調べたところ、ファーストビューで自社の強みが伝わらず、訪問者がすぐに離脱していることが判明しました。ファーストビューの訴求内容を見直した結果、直帰率が45パーセントまで改善し、問い合わせ数が1.5倍に増加しました。
リピート訪問率
BtoB企業や高額商品を扱う企業では、初回訪問ですぐに成約に至るケースは少なく、複数回の訪問を経て問い合わせにつながることが一般的です。リピート訪問率が低い場合、訪問者の記憶に残らない、再訪したくなる理由がないといった問題が考えられます。
Googleアナリティクスで新規訪問者とリピート訪問者の割合を確認し、リピート率が低い場合は、メールマガジンやリターゲティング広告、SNSでの情報発信など、再訪を促す施策を検討します。
【デザイン/導線】ユーザー体験を最適化する診断項目
訪問者がサイトに来ても、導線が整っていなければ成果にはつながりません。ここでは、訪問者を成果につなげるための導線設計に関する5つの診断項目を解説します。
ファーストビューの訴求力
ファーストビューとは、訪問者がサイトを開いたときに最初に目にする画面のことです。ここで自社の価値が伝わらなければ、訪問者はすぐに離脱してしまいます。
ファーストビューには、誰に何を提供するのかが一目でわかるキャッチコピーと、次に取るべき行動が明確に示されていることが重要です。たとえば、「中小企業向けのホームページ制作で問い合わせ数を2倍にする」といった具体的な訴求があると、訪問者は自分に関係があるかどうかを瞬時に判断できます。
CTA(問い合わせボタン)の配置と視認性
問い合わせボタンが目立たない、配置が少ない、クリックしたくなる文言になっていないといった状態では、訪問者が行動を起こしにくくなります。
問い合わせボタンは、ファーストビューに1つ、各セクションの終わりに1つ、フッターに1つといった具合に、複数箇所に配置します。ボタンの色や大きさ、文言も重要で、「お問い合わせはこちら」よりも「無料相談を申し込む」といった具体的で行動を促す文言のほうが、クリック率が高まる傾向にあります。
スマホ対応の完成度
BtoB企業であっても、スマホからのアクセスが全体の40から50パーセントを占めるケースが増えています。スマホで見づらい、ボタンが押しにくい、表示が崩れるといった問題があると、訪問者は離脱してしまいます。
Googleのモバイルフレンドリーテストを使って、スマホ対応の状態を確認します。また、実際にスマホで自社サイトを閲覧し、文字の大きさ、ボタンの押しやすさ、画像の表示速度などを体感することも重要です。
ページ間の導線設計
訪問者が次にどのページを見ればいいかわからない、関連する情報にたどり着けないといった状態では、サイト内を回遊してもらえません。回遊率が低いと、訪問者の理解が深まらず、問い合わせにつながりにくくなります。
たとえば、サービス紹介ページを見た訪問者が、次に事例ページや料金ページに進めるよう、関連ページへのリンクを適切に配置します。また、サイドバーや記事下に関連記事を表示するなど、訪問者の関心に応じた導線を設計します。
フォームの入力完了率
問い合わせフォームにたどり着いても、入力項目が多すぎる、エラーメッセージがわかりにくい、入力途中で離脱してしまうといった問題があると、せっかくの見込み客を逃してしまいます。
フォームの入力完了率は、Googleアナリティクスのイベントトラッキングや、フォーム分析ツールを使って計測します。入力項目は最小限にし、必須項目と任意項目を明確に区別します。また、入力例を示す、エラーメッセージを具体的にするといった工夫で、完了率を高めます。
【コンテンツ】訴求力を高める診断項目
競合他社との違いを伝え、訪問者の信頼を獲得するには、コンテンツの質が重要です。ここでは、訴求力を高めるための5つの診断項目を解説します。
強みとベネフィットの明確さ
自社の強みが抽象的で、訪問者にとってのメリットが伝わらない状態では、競合他社と差別化できません。たとえば、「高品質なサービス」「豊富な実績」といった表現は、どの企業でも使えるため、訪問者の記憶に残りません。
強みは、具体的な数字や事例で裏付けることが重要です。「創業20年で500社の支援実績」「平均して問い合わせ数が3か月で2倍になる」といった具体性があると、訪問者は自社に依頼するメリットを理解しやすくなります。
実績・事例の具体性
実績や事例が抽象的だと、訪問者は自社にも同じ成果が得られるかイメージできません。たとえば、「多数の企業を支援」ではなく、「製造業10社、IT企業5社、サービス業8社の計23社を支援」といった具体的な情報が必要です。
事例では、課題、解決策、成果を明確に示します。たとえば、「問い合わせが月2件から月15件に増加」「採用応募が半年で3倍になった」といった数値を示すことで、訪問者は自社でも同様の成果が期待できると感じます。
お客様の声の説得力
お客様の声は、第三者の評価として信頼性を高める効果がありますが、内容が抽象的だと説得力が低下します。「とても良かったです」「満足しています」といった短いコメントだけでは、訪問者の心を動かしません。
お客様の声には、導入前の課題、導入後の変化、具体的な成果を含めます。また、顔写真や企業名、役職などを掲載することで、信頼性が高まります。匿名のコメントよりも、実名のほうが説得力があります。
競合との差別化ポイント
訪問者は複数の企業を比較検討しているため、競合他社との違いが明確でないと、選ばれる理由がありません。差別化ポイントは、価格、品質、スピード、サポート体制など、訪問者にとって重要な要素で示します。
たとえば、「業界最安値」ではなく、「月額2万円から始められる柔軟なプラン」といった具体性があると、訪問者は自社の予算に合うかどうかを判断できます。また、「24時間サポート」「専任担当者がつく」といった、他社にはない特徴を強調します。
行動を促すメッセージ
訪問者が次に何をすればいいかわからない状態では、問い合わせにつながりません。各ページの終わりには、次に取るべき行動を明確に示すメッセージが必要です。
たとえば、「まずは無料相談で課題をお聞かせください」「資料をダウンロードして詳細をご確認ください」といった具体的な呼びかけがあると、訪問者は行動を起こしやすくなります。また、「3営業日以内に回答します」「無理な営業はいたしません」といった安心感を与える一言も効果的です。
【技術】サイト基盤を強化する診断項目
技術的な問題は、訪問者の離脱や検索順位の低下を引き起こします。ここでは、サイトの基盤となる技術的な要素に関する5つの診断項目を解説します。
ページ表示速度
ページの表示速度が遅いと、訪問者は待ちきれずに離脱してしまいます。Googleの調査によると、ページの読み込み時間が3秒を超えると、離脱率が大幅に上昇することが報告されています。
PageSpeed InsightsやGTmetrixといったツールで、表示速度を計測します。画像の圧縮、不要なプラグインの削減、キャッシュの活用など、技術的な改善を行うことで、表示速度を改善できます。また、Googleのコアウェブバイタルで示されるLCP(Largest Contentful Paint)、FID(First Input Delay)、CLS(Cumulative Layout Shift)の基準を満たすことが、検索順位にも影響します。
SSL化とセキュリティ
SSL化されていないサイトは、ブラウザで「保護されていない通信」と表示され、訪問者に不安を与えます。また、Googleの検索順位にも影響するため、SSL化は必須です。
SSL証明書を取得し、サイト全体をHTTPSに対応させます。また、WordPressなどのCMSを使用している場合、定期的にアップデートを行い、セキュリティの脆弱性を防ぎます。問い合わせフォームなど、個人情報を扱うページでは、プライバシーポリシーを明示することも重要です。
構造化データとメタ情報
検索エンジンがサイトの内容を正しく理解するには、構造化データやメタ情報が適切に設定されている必要があります。titleタグやmeta descriptionが未設定、または重複していると、検索結果での表示が最適化されず、クリック率が低下します。
各ページのtitleタグには、メインキーワードを含め、30から40文字程度で簡潔に内容を示します。meta descriptionには、120文字程度でページの要約を記載し、訪問者がクリックしたくなる内容にします。また、構造化データを使って、記事、商品、企業情報などを検索エンジンに正しく伝えることで、リッチスニペットとして表示される可能性が高まります。
内部リンク構造
内部リンクが適切に設定されていないと、検索エンジンがサイト全体を正しく評価できず、重要なページが検索結果に表示されにくくなります。また、訪問者がサイト内を回遊しにくくなり、滞在時間が短くなります。
重要なページには、複数のページからリンクを設定し、検索エンジンに重要性を伝えます。また、関連する記事やサービスページへのリンクを設置し、訪問者が次に見るべきページに自然に誘導します。パンくずリストを設置することで、訪問者が現在どのページにいるかを把握しやすくなり、サイト全体の構造も明確になります。
アクセス解析の設定状況
アクセス解析が正しく設定されていないと、訪問者の行動を把握できず、改善の方向性が見えません。GoogleアナリティクスやGoogle Search Consoleが未設定、または古いバージョンのままになっている企業も少なくありません。
Googleアナリティクス4(GA4)に移行し、訪問者の流入経路、ページ別の滞在時間、コンバージョンの発生状況などを計測します。また、Google Search Consoleで検索クエリ、クリック率、表示回数などを確認し、SEO施策の効果を測定します。これらのツールを定期的にチェックすることで、改善すべきポイントが明確になります。
チェックリストの活用方法と改善の進め方
20項目のチェックリストで問題点を洗い出したら、次は改善の優先順位をつけて実行に移します。すべての項目を一度に改善するのは現実的ではないため、費用対効果の高い項目から着手することが重要です。
優先度の判断基準(費用対効果)
改善の優先度は、コストと効果のバランスで判断します。たとえば、ページ表示速度の改善は、画像の圧縮やキャッシュの設定など、比較的低コストで実施できる一方、直帰率の低下や検索順位の向上といった効果が期待できます。
一方、サイト全体のデザイン刷新は、コストが高く時間もかかるため、優先度は低くなります。まずは、低コストで効果の高い施策から着手し、成果を確認しながら段階的に改善を進めます。
クイックウィンを見つける方法
クイックウィンとは、短期間で成果が出やすい施策のことです。たとえば、問い合わせボタンの文言を変える、ファーストビューのキャッチコピーを見直す、フォームの入力項目を減らすといった施策は、数日から1週間程度で実施でき、すぐに効果が測定できます。
クイックウィンで成果を出すことで、社内の関係者に改善の必要性を理解してもらいやすくなり、次の施策への予算や協力を得やすくなります。
段階的な改善スケジュール
改善は、短期、中期、長期の3つのフェーズに分けて計画します。短期では、クイックウィンを実施し、効果を確認します。中期では、コンテンツの追加や導線の見直しなど、一定の時間とコストが必要な施策に取り組みます。長期では、サイト全体のリニューアルや、新しい機能の追加など、大規模な改善を実施します。
各フェーズで成果を測定し、次のフェーズに進むかどうかを判断します。データに基づく改善を繰り返すことで、成果の出るホームページに近づいていきます。
ただし、診断結果から具体的な改善策を立案し、実行に移すには専門的な知見が必要になるケースも少なくありません。どの施策をどの順番で実施すべきか、技術的な実装はどう進めるか、効果測定の設計はどうするかといった点で迷う場合、外部の専門家に相談することも選択肢の一つです。詳しくは参謀プログラムをご参照ください。
まとめ
ホームページから成果が出ない原因は、複数の箇所に分散していることが多く、体系的なチェックが必要です。本記事で紹介した20項目のチェックリストを活用し、集客、導線、コンテンツ、技術の4つの視点から問題点を洗い出すことで、改善の糸口が見えてきます。
すべての項目を一度に改善するのは現実的ではないため、費用対効果の高い項目から優先的に取り組み、クイックウィンで成果を確認しながら段階的に進めることが重要です。診断結果をもとに、自社で対応できる部分は実施し、専門性が必要な部分は外部の支援を検討することで、改善の確率を高められます。
ホームページ改善の次のステップとして、診断結果に基づく具体的な改善提案や実装支援が必要な場合は、参謀プログラムからご相談ください。